ほかの介護職資格との違い


介護福祉士は「名称独占」の資格とされていますので、資格をもっている人しか「介護福祉士」を名乗ることはできません。それでは、介護の仕事をするには介護福祉士の資格が必ず必要なのでしょうか?そうではありません。資格がなくても介護の仕事に就くことはできます(これに対して医師や看護師などは、その資格がなければその仕事ができない「業務独占」の資格とされています)。
ですので、介護は家族も行うし、だれでも行うことができます。しかし、より実践的な技術や知識を身につけるには「ホームヘルパー(訪問介護員)」の資格をとる人が多いです。実際に現場での仕事内容はその資格によって明らかにわけられていることもありません。ところが、ホームヘルパーと介護福祉士には資格としては大きな違いがあります。それはホームヘルパーが「認定資格」であるのに対し、介護福祉士は「国家資格」であるということです。厚生労働省は2005年に「介護に携わる者の資格を介護福祉士に一本化する」という方向性を発表しています。現実には介護におけるホームヘルパーに対する需要はまだまだ高いですから、すぐに一本化されることはないと思われますが、将来的には介護福祉士が介護の中心の資格となることは間違いありません。
国家資格ですから全国どこへ行っても通用しますし、介護の専門技術と知識をもったスペシャリストの証明にもなります。講習を受ければだれでも取得することができる認定資格と、試験に合格(または厚生労働省が認定した養成施設を卒業)しなければ取得することのできない国家資格との違いがここにあります。
2008(平成20)年の調べでは介護職員は128万人、そのうち介護福祉士は40.6万人。平成37年には212〜255万人の介護職員が必要と予測されています(社会保障国民会議推計)。現場の介護の中核を担う介護福祉士が求められることはこの数字からもおわかりいただけるでしょう。そのためにもぜひ介護福祉士国家試験に合格してください。

戻る


(c)保育社